An Urban Gallery

Theano Giannezi

説明

 パンデミックが始まった当初、人々は恐怖、苦悩やストレスなどの感情を日常的に経験し、身体的にも精神的にも脆弱にしていた。彼らは現実から逃げる方法を探し、その一つが芸術的な実践だった。しかし、パンデミックは経済的な面だけでなく、社会的な面でもアートの世界に強い影響を与え、イベントスペース(画廊)というコンセプトが物理的に存在しなくなってしまった。視聴者とのつながりは完全に失われ、物理的な交流がほとんど禁止された。このような状況の中で、多くの美術機関やギャラリーがアーティストに機会を与え、オンライン展示会で彼らの作品をサポートできることから見れば、ポジティブなことがあると思える。けれども、それだけで失われたつながりを満たすことが十分だろうか。

 失われたつながりを再び見つけようという個人的ニーズによって、自分を新しい交流の方法に導いた。解決策の1つは、私の作品を路上で展示することだった。自分の考えは、数ヶ月間の自粛の時に制作した作品(どこかで展示する機会がなかった)の一部を再構築し、新しいメディアであるウィートペーストのストリートアートの技法で再現だった。

壁はが突然私の個人的な「urban gallery」となり、すべての作品が展示されている道端に立ち寄るだけで、人々が物理的な出会いなくても作品と自由に交流できるようになった。その上に、自分の作品のプロセスと結果の記録をSNSで共有することにより、作品を鑑賞してくれる人たちと新しいインタラクションとバーチャルなつながりを生み出した。公共スペースがアートを公開するのに最適な場所であると人々が気づき始めた。街路をアートスペースとして再生することで、アートシーンから長い間失われていた自由と連帯感が生まれた。

 今回のアートプロジェクトで、私は自分の作品の変化をさらに探って見せていきたいと思う。立体的な紙の作品から、ウィートペーストの作品まで公共の壁で公開し、「urban gallery」を作って様々な選択や新しい形でバーチャル世界に続く。

 私はいくつかの質問を答えようとする。どうやってアートの世界に公共スペースをギャラリースペースとして認識させるのか。どのような形(写真、ビデオ、360度カメラ)でアーバンアート環境をバーチャル世界にどうやって合させるのか。どのようにして作品をギャラリー・スペースとバーチャル・スペースに引き戻せるのか。この問題は私の研究計画の一部である。

このアイデアを思いついたのは、自分の作品シリーズ

「Symbiosis」を制作した後だった。このシリーズは新型コロナウイルスによる数ヶ月間の自粛の間に作成した。私が経験してきたインドネシアの文化やライフスタイルの一部、そして今までの日常生活の順応をイラスト描写してみた。

Symbiosisという言葉はギリシャ語の「συμβιόω」(συν + βίος :共に生きる)に由来し、二つの異なる生物の密接かつ長期的な生物学的相互作用のいずれかのタイプであること。これらの相互作用のタイプは、相利共生、片利共生または寄生的な可能性がある。「Symbiosis」シリーズは、これらのつながりと人間関係の類似性を探って表現している作品である。

Theano Gianezzi 1.jpg
Theano Gianezzi 2.jpg
Theano Gianezzi 3.jpg

アーティストプロフィール

 Theano Giannezi(シーノー・ギアネジー)は1991年、ギリシャのテッサロニキで生まれた。彼女はAristotle University of Thessalonikiで視覚・応用美術学部で美術の学士号と修士号を取得し(2016年)、Music school of Thessalonikiで音楽の研究を修了した(2009年)。2019年にはDarmasiswa Indonesian Scholarshipという奨学金を受賞。

シーノーは、主に紙のインスタレーションや立体的な形の創造を作り出している学際的なアーティスト。人間の存在の意義を見出すために、関わっている対象に自然の要素を巻き込む。それを理想化し、自然環境やアーバンライフスタイルとのつながりを発見しようとする。彼女は、視聴者を没頭させるために、表面を超えられるような繰り返しの型紙を立体で作る。重なっている紙のインスタレーションの中での移動やインタラクションによって、無限で複雑な世界を発見する。これらのビジュアルアートは、象徴的な空間の自由を表現し、視聴者が霊的な訓練を通してより高い意識を持てるような作品。ギリシャ国内外のギャラリーや文化機関で個展やグループ展で開催され、アートセミナーやレジデンスプログラムにも参加したことある。