キャラクターの名前

苗木由利

説明

埋め立てから開発まで、バンドンの土地環境の歴史を調査する。表舞台に立ってきた男性優位の歴史的描写や名記に応えて、歴史の影として扱われてきた女性の存在を想像する。その上、本当に存在していたのかと思わせる新しい架空のキャラクターを作り出す。実際の史実と人物を混ぜ合わせることによって、性差や性比不均衡の問題を皮肉に浮き彫りにしてきた。

 ストーリーは記憶に残りやすく、普通に広げられる。誰でも参考したりすることができるように、物語の本文はネット上で公開されている。同時に、作家自身が映像と音のインスタレーションで物語を表現し、バンドンの会場で展示する(新型コロナウイルスの状況を考慮)。その後、インスタレーションは横浜・黄金町で再展示する。

 このプロジェクトから期待できることは二つある。一つ目は史実をもとにした新たな物語であり、二つ目はそれを表現するインスタレーション展示である。オンラインでの公開とオフラインでの公開、それぞれメリットがある。1つ目のメリットは、一般の人が自分のクリエーションのために、ストーリーを自由にコピーペーストできること。視聴者がそれぞれの方法でストーリーやキャラクターを利用できるということである。二つ目は、映像と音のインスタレーションなので、「美学の体験」を提供すること。それはやはり人間の感覚にアピールし、オフラインでしか楽しめない。

 つまり、調査の過程で、アーティスト自身が現地にいなくても、現地の協力者に調査を依頼することができるので、常駐しなくても制作の半分は進められる。ただし、現地での体験からアーティストに与えられるインスピレーションが特に重要なので、可能であれば自分自身が現地調査するほうがいいと考える。このように作り出した物語は、過去と現在を結びつけ、フィクションであっても、現代の私たちが直面している問題を提示できる。

 本プロジェクトで、史実をもとにしたストーリーの本文を公開する。まるで昔からあったかのような伝統的な物語の体裁を持ち、それを見た人が自由に参考したり利用したりすることができる。歴史に基づいたフィクションの物語は、人々に浸透し、固定観念を変える力を持っている。それで、原作とは何か、アーティストの著作権は何か、何をコントロールできるのか、終わりは何かと関心を引き起こして思わせることができる。

実施計画

 本プロジェクトは、インドネシアとオンラインで3ヶ月間(日本で2週間の追加)で実施する予定。

1) 初期段階でプロジェクトの概要を公開する。

2) 研究状況は随時に公開される。

3) インドネシアでのインスタレーション展示が可能と決定された場合は、作成したストーリーの全貌を公開する。

4) インスタレーションを行う。

5) インドネシアでの展示会を公開する。

6) 日本での再展示を手配する。

7) 日本でも展示会を公開する。

アーティストプロフィール

 苗内由梨は、物質性、歴史的フィクションや個人的な物語を探究している日本人アーティスト。日本国内の他、ソフィア、ブルガリア、ロンドンでも個展、グループ展、パフォーマンスを開催している。また、京都のARTZONEでのキュレーションプロジェクトや、黄金町エアサイトでのバーチャル展示会「ROADSIDE PICNIC」を企画した。現在は横浜で生活して活動している。